モンテッソーリ教育は、子どもが今、どの成長段階にいるのか、まずは子どもの成長の大きなアウトラインを知ることから始まります。
その助けになるのが、モンテッソーリが考え出した子どもの「発達の4段階」です。
【発達の4段階】
モンテッソーリの分類では、発達は「幼年期」「児童期」「思春期」「青年期」の4つに分かれています。
大人になるまでの24年間を6年ごとに分けて、「発達の4段階」としています。
もう少し言えば、各期は3年ごとに前期と後期で分かれており、前期で経験したことが、後期に実になると考えられています。
【幼年期(0~6歳)】
最も大きく成長・変容する時期です。
幼年期は0歳から3歳までの前期と、3歳から6歳までの後期に分かれています。
モンテッソーリは、幼年期を「人間が生涯生きていくために必要な力の約80%が、この時期で身につく」とし、重要な時期と位置付けています。
前期(0〜3歳)
無意識に全てのことを吸収する。人間の最も大切な能力である「歩く」「手を使う」「話す」が確立する。
後期(3〜6歳)
0〜3歳で無意識に吸収した膨大な情報を五感を使って整理していく。集団の中で自分を律するようになる。
上記のことから、まずは「3歳を境にして、子どもは変容するんだ」ということを知ることが第一歩です。特に注目したい変容を2つ挙げたいと思います。
①動きの変化
0~3歳の前期には、生きていくのに必要な基本的な動き自体(落とす、ひっぱる、つまむ、そそぐなど)を習得することが必要です。
一つひとつの動きを何回も練習することで、自分の生きる力に変えていくのがこの時期です。そのために必要なのが手作り教具です。
それぞれの教具は目的を持って作られています。子どもが自らの動きを磨くことのできる、そうした環境さえ用意しておけば、子どもは自ら積極的に関わり、基本的な動きをどんどん習得していきます。
3歳を過ぎ期に入る頃には、それらの基本的な動きを習得し終えます。やがて習得した動きを組み合わせて「ほうきで掃く、洗濯をする、花をいける」など、生活に役立てるようになります。
3歳以降は、単にできただけではなく、より上手に、より洗練させていくことに喜びを覚えるようになります。
②記憶の変化
0~3歳の前期の子どもは、無意識のうちに見聞きしたものをそのまま吸収する能力を持っています。それはあたかも、瞬間的に写真で記憶に収めるような素晴らしい力です。
大人はその力を信じ、多くの本物に触れられる環境を整備する必要があります。
3歳を過ぎる後期に入ると、それまでに無造作に蓄えられた情報を整理して、意識的に定着させようとします。その時に大切になってくるのが「五感」なのです。
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【児童期(6~12歳)】
小学校の6年間です。
「なんで空は青いの?」「どうして夜になるとみんな寝るの?」など、身の回りで起きていることへの理由を知りたがることがあります。
抽象的な物事への感受性が上がるこの時期は、知性期とも言います。
この時期は、世の中の文化の基礎を伝えるのに適した時期となっています。
また、「莫大な記憶が可能な時期であり、この時期に覚えたことは半永久的に忘れない」という素敵な時期でもあります。
まとめると発達の4段階のうち、6歳から12歳までの小学校に通っている時期にあたるのが、児童期です。児童期の特性は以下の通りです。
①「知性期」でもあり、抽象的な物事への感受性が上がる
②物事の優先順位は「友達が一番」
③「個人」から「集団」への適合
児童期では、「個人」として自立度を高めた子どもが、「集団」でより大きな課題に取り組めるようになる時期です。
【思春期(12~18歳)】
中学・高校生のこの時期は、心身ともに変化が著しい時期です。意識は自分自身の内面に向き、自分が他人からどう見られているのかがとても気になり、回りから浮くことをとても恐れるようになります。行き場のないエネルギーが、いじめ、家庭内暴力、ひきこもりなどといった形で発散され、危険なシグナルを発するようになる子どももいます。
子どもの行動が理解できずに、苦しむ親御さんが多くなる時期でもあります。しかし「○○期」というものには必ず始まりと終わりがあることを覚えておいてください。
日々新しいことに接している子どもは、多くのストレスも感じています。
特に思春期を迎えている中学生などは、学校でも家庭でも「うまくいかない」ことがたくさん起こり、かつ心的な傷を負いやすい時期でもあります。
そんな時に相談できる窓口は、「子ども110番」です。
子ども110番で相談できる内容としては、いじめ、仲間はずれ、男女交際などの友達関係から、「学校に行きたくない」などの学校にまつわること、また両親の離婚や兄弟姉妹とのトラブルなどの家庭環境のことも相談できます。
【青年期(18~24歳)】
心身ともに大きく変容する不安定な時期でもある思春期を過ぎると、青年期が訪れます。
青年期には意識は外に向き、自分の将来や職業について考えたり、社会に対して自分はどのように貢献できるかを模索したりするようになり、大人へと羽ばたいていく時期です。
【特に気をつけたい2つの時期】
先ほども述べたように、モンテッソーリの分類では、発達は4つの時期に分かれています。その中でも特に気をつけたい時期が「幼年期」と「思春期」の2つの時期で、それらを「変容期」と呼びます。
変容期はかなり精神面での変化が激しく、成長に関して親が気を使わなければならない時期とされています。
この「変容期」と呼ばれる時代にどのように子どもと関わっていくか、なぜ「反抗期」「イヤイヤ期」が起きてしまうのか、などのメカニズムを知ることが、モンテッソーリ教育を理解する上でも非常に大切となってきます。
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