モンテッソーリ教育と聞いて、「縦割り保育」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
異なる年齢の子どもたちが一緒に活動する縦割り保育は、モンテッソーリ教育の大切な柱の一つです。
では、なぜこの縦割りがモンテッソーリ教育において重要なのでしょうか?
本記事では、縦割り保育がどのように子どもたちの成長をサポートし、社会性やリーダーシップ、自己肯定感を育むのか、そのメリットについてわかりやすく解説していきます。
モンテッソーリ教育に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください!

【モンテッソーリ教育の特徴】

モンテッソーリ教育においては学年で区切るような「横割り」のクラスよりも、様々な年齢の子どもがクラスに共存している「縦割り」の集団になっていることが非常に多いです。
子どもたちは「縦割り」と呼ばれるバラバラの学年の子どもが混在するクラスに属することで、「先輩を見て学ぶ」「後輩に信頼されるように教える」といった人間関係の構築を早い段階から経験していくことができると言われています。
【縦割り保育のメリット】
モンテッソーリ教育における縦割り保育のメリットをまとめました。
社会性が育つ
異年齢の子どもたちが一緒に過ごすことで、自然に助け合いや思いやりの心が育ちます。年上の子どもは年下の子をサポートし、年下の子は年上の子を見習うことで、年齢を超えたコミュニケーションの概念や社会的なスキルがいち早く身につきます。
リーダーシップと協調性が育つ
年上の子どもは、年下の子に教える場面が多くなり、自然とリーダーシップが育まれます。一方、年下の子は年上の子の行動を見て学ぶことで協調性が身につきます。
ただ、協調性を身につけることは必ずしも優先していません。これについてはデメリットの欄で解説しています。
自分のペースで学べる
年齢や発達段階が異なる環境では、子どもたちは一人ひとりのペースで活動できます。得意な分野では年下の子に教え、苦手な分野では年上の子に教わることで、無理なく成長できます。
自己肯定感の向上
年上の子が年下の子に教えたり、助けたりすることで「自分は役に立っている」と感じる機会が増え、自己肯定感が高まります。また、年下の子も成長して同じ役割を果たせるようになることを目標にできます。
このように、縦割り保育は子どもたちが自然に社会性やリーダーシップを身につけ、個々の成長を支える環境を提供するという点で大きなメリットがあります。

【縦割り保育のデメリット】
モンテッソーリ教育における縦割り保育にはメリットが多い一方で、いくつかのデメリットもあります。
年齢差による負担
年上の子どもにとっては、常に年下の子の面倒を見たり教えたりすることが負担になる場合があります。これにより、自分自身の活動や学びに集中できないことがあるかもしれません。
活動や関心の違い
異年齢の子どもが同じ空間で過ごすため、年齢や発達段階によって関心や能力に差が生まれます。年下の子は年上の活動についていけなかったり、逆に年上の子が年下のレベルに合わせなければならない場面が出てきたりする可能性があります。
教師の負担増加
異なる年齢層の子どもたちを同時に指導するため、教師には幅広い年齢層に対応できるスキルや、子どもたちの進行状況を常に把握する必要があります。これにより、指導の負担が大きくなることもあります。
年下の子への影響
年上の子どもが必ずしも良いお手本とは限りません。年上の子が不適切な行動を取った場合、年下の子がそれを真似てしまうリスクもあります。
特定の年齢層が孤立しやすい
年齢層が極端に離れていると、特定の子どもが孤立感を抱くことがあります。特に、中間の年齢層の子どもたちは、年上とも年下とも一緒に活動しづらい場面が出る可能性があります。
これらのデメリットは、縦割り保育を取り入れる際に考慮すべき課題ですが、適切なサポートや環境づくりによって多くは解決できることもあります。
モンテッソーリ教育はいわば「自由を尊重し、自立を促す」教育であるため、周囲との協調性を優先する場面はそこまで多くはありません。 しかし、合わせるべきところは合わせるよう家庭内や公共施設などの場所での教育を親がしっかりと行ってあげることで、解決できるでしょう。
【まとめ】

モンテッソーリ教育において、縦割り保育は子どもたちが自然に学び合い、成長するための大切な環境です。
異年齢の子どもたちが一緒に過ごすことで、年上の子はリーダーシップを育み、年下の子は憧れを持ちながら自己成長を目指します。
また、社会性や思いやりの心が日常的に養われることも大きなメリットです。
一方で、年齢差による負担や教師のサポートが必要な場面もありますが、それを補う適切な環境づくりができれば、縦割り保育は子どもたちの人格形成にとって非常に有効な手法です。
モンテッソーリ教育を考えている方は、ぜひこの縦割り保育のメリットを理解し、子どもたちにとって豊かな学びの場を提供してみてはいかがでしょうか。
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